新生児の無呼吸はSIDSのサイン?見分け方と危険な症状、家庭でできる対処法
「赤ちゃんが呼吸を止めている…?!」
新米ママ・パパにとって、これは本当に心臓が止まるような瞬間ですよね。生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ呼吸が不安定なことが多く、「もしかしてSIDS(乳児突然死症候群)のサインなのかな…」と不安に感じる方も少なくありません。
そこで今回は、新生児の無呼吸について、SIDSとの関係、見分け方、危険な症状、そして家庭でできる対処法まで、分かりやすく解説していきます。
1. 新生児の呼吸は不安定なのが普通?
まず知っておいてほしいのは、新生児の呼吸は大人とは違い、不規則になりがちだということです。特に寝ているとき、短い間隔で呼吸が速くなったり、ゆっくりになったり、時には10秒程度呼吸が止まることもあります。これは「周期性呼吸」と呼ばれ、ほとんどの場合は心配いらない正常な現象です。
しかし、この「正常な無呼吸」と「危険な無呼吸」を見分けることが大切です。
2. SIDS(乳児突然死症候群)と無呼吸の関係
SIDSは、それまで元気だった赤ちゃんが、睡眠中に突然亡くなってしまう病気で、原因はまだ完全には解明されていません。SIDSの赤ちゃんの一部に、血液中の酸素レベルが低下したり、呼吸が一時停止したりする兆候が見られることから、無呼吸とSIDSには関連があると考えられています。
しかし、無呼吸発作自体がSIDSの直接的な原因かどうかは分かっていないのが現状です。SIDSのリスクを減らすためには、無呼吸の有無にかかわらず、赤ちゃんが安全に眠れる環境を整えることが最も重要とされています。
SIDSのリスクを減らすための3つのポイント
仰向けに寝かせる:うつ伏せ寝はSIDSの発生率を高めることがわかっています。
たばこをやめる:妊娠中の喫煙や、赤ちゃんのそばでの喫煙(受動喫煙)は、SIDSのリスクを著しく高めます。
安全な睡眠環境を整える:柔らかすぎる布団や、ぬいぐるみ、枕などは赤ちゃんの顔を覆って窒息させる危険性があるため、置かないようにしましょう。
3. 無呼吸の見分け方!危険なサインはこれ
では、どんな無呼吸に注意すればよいのでしょうか?以下の症状が見られたら、ただの周期性呼吸ではない可能性があります。
20秒以上呼吸が停止する:これが「無呼吸発作」と判断される目安の一つです。
呼吸が20秒未満でも、以下の症状を伴う場合:
チアノーゼ:唇や顔色、手足の皮膚が青紫色になる
徐脈:脈拍が遅くなる
顔色が悪くなる、ぐったりしている
呼吸時に小鼻がヒクヒクする「鼻翼呼吸」
呼吸時にみぞおちや鎖骨の上がへこむ「陥没呼吸」
これらの症状は、呼吸がうまくできていないサインです。少しでも「いつもと違う」「苦しそう」と感じたら、すぐに病院を受診しましょう。
4. 家庭でできる対処法と、病院に行くべきタイミング
(1) 無呼吸が短時間の場合(正常な周期性呼吸の可能性)
赤ちゃんが短時間だけ息を止めている様子であれば、まずは刺激を与えて呼吸を促すことから始めてみましょう。
足の裏を軽くこする
背中をさする
これだけで呼吸が再開することがほとんどです。焦らずに、優しく声をかけながら様子を見てみましょう。
(2) 呼吸が再開しない、危険なサインが見られる場合
もし、上記の危険なサインが見られたり、刺激を与えても呼吸が再開しない場合は、一刻も早く病院を受診することが重要です。
大声で呼びかけ、体をゆする:呼吸が再開するか確認します。
119番通報:意識がない、ぐったりしている、顔色が悪いなど、危険な症状が見られる場合は、すぐに救急車を呼びましょう。電話で指示を仰ぎながら、応急処置を行うことも大切です。
病院に行くべきタイミング
20秒以上の無呼吸が続いた場合
無呼吸と同時に、チアノーゼやぐったりした様子が見られた場合
生後14日以降に無呼吸発作が頻繁に起こる場合
日頃から、呼吸が苦しそうに見える、哺乳力が弱いなどの症状がある場合
心配なことがあれば、「気のせいかな?」と自己判断せずに、かかりつけの小児科医に相談してください。
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まとめ
新生児の無呼吸は、正常な周期性呼吸であることが多いですが、中には注意が必要な場合もあります。
正常な周期性呼吸:10秒程度の一時的な停止
危険な無呼吸:20秒以上の停止、またはチアノーゼなどを伴う停止
この違いをしっかり見分けて、もしもの時に落ち着いて行動できるように準備しておきましょう。そして、SIDS予防のためにも、日頃から安全な睡眠環境を整えることが何よりも大切です。
赤ちゃんのことで不安なことがあれば、一人で悩まずに、専門家や周りの人に相談してくださいね。