なぜ伝わらない?高齢者の防犯意識と、家族が知っておくべき「伝え方」
「オレオレ詐欺には気をつけてね!」「知らない人にはドアを開けないでね!」
そう言っても、なかなか高齢者の親や祖父母に防犯意識が伝わらず、もどかしい思いをしている方はいませんか?実は、高齢者と若い世代では、防犯に対する考え方や危機意識に世代間ギャップがあることが多いのです。
今回は、なぜそのギャップが生まれるのか、そして高齢者に詐欺などの犯罪から身を守ってもらうための、具体的な伝え方のコツをご紹介します。
高齢者が詐欺に騙されるのはなぜ?その心理を知る
高齢者は、なぜ特殊詐欺の標的になりやすいのでしょうか。その背景には、いくつかの心理的な要因があります。
「自分は大丈夫」という過信:テレビや新聞で詐欺事例を見ても、「自分はそんなに騙されるようなタイプじゃない」と思い込んでいる方が少なくありません。
権威や身内に弱い:警察官や弁護士、あるいは孫から電話がかかってきた、という状況に接すると、相手の言葉を疑いにくくなる傾向があります。
親切心や真面目さ:困っている人や、頼みごとをされたら助けてあげたい、という気持ちが強く、それが詐欺犯に利用されてしまうことがあります。
このギャップを埋めるには、頭ごなしに「ダメ!」と否定するのではなく、相手の心理を理解した上で対策を伝えることが重要です。
高齢者に響く「防犯の伝え方」のコツ
1. 具体的な事例を挙げて話す
「特殊詐欺に気をつけて」と抽象的に言うだけでは、なかなか危機意識は高まりません。
「最近、あなたの地域でこんな詐欺があったんだって…」
「親戚の〇〇さんが、こんな手口に騙されそうになったらしいよ…」
などと、より身近な事例を挙げて話すと、「自分にも起こりうるかも」と防犯意識が芽生えやすくなります。
2. 「見守りサービス」や防犯グッズを活用する
「不審な電話があったらすぐ切る」などと約束しても、いざという時に実行するのは難しいものです。そんなときは、防犯グッズや見守りサービスに頼るのも一つの手です。
迷惑電話対策機能付きの電話機をプレゼントする
録画機能付きのインターホンに替える
地域の見守りサービスや、自治会の地域防犯活動への参加を勧める
といった具体的な対策を提案すると、高齢者自身も安心感を得られます。
3. 家族で役割分担を決める
防犯は、家族全員で取り組むことが大切です。「親の防犯意識を高める」という課題は、一人で抱え込まず、兄弟や親戚と役割を分担しましょう。
定期的に防犯の話題を出す
困ったことがあったらすぐに連絡する相談窓口を決めておく
日頃からこまめに連絡を取り合い、異変に気づけるようにしておく
まとめ:大切な人を守るために、今できることから始めよう
防犯意識の世代間ギャップは、簡単に埋まるものではありません。しかし、相手の心理を理解し、頭ごなしに否定せず、寄り添う伝え方をすることで、高齢者も防犯対策を身近に感じてくれるはずです。
大切な家族を詐欺や犯罪から守るために、ぜひ今日から少しずつ防犯について話す機会を増やしてみてください。