成長ホルモン注射、一体いつまで? 知っておきたい治療の期間と大切なこと
「うちの子、ちょっと身長が低いのが心配…」
「成長ホルモン注射って、一体何歳まで打つの?」
お子さんの成長について悩んでいるお父さんやお母さんにとって、成長ホルモン注射は気になる選択肢の一つですよね。でも、「いつまで治療を続けるんだろう?」という疑問や、「副作用はないのかな?」といった不安を感じることもあるかもしれません。
この記事では、成長ホルモン注射が何歳まで行われるのか、そして治療を始める前に知っておきたい大切なポイントについて、分かりやすくお話ししていきます。安心して読み進めてくださいね。
成長ホルモン注射ってどんな治療?
まず、成長ホルモン注射がどんな治療なのかを簡単にご説明します。
成長ホルモンは、私たちの体の中で骨や筋肉の成長を促したり、新陳代謝を活発にしたりする大切なホルモンです。しかし、何らかの原因でこの成長ホルモンの分泌が不足してしまうと、身長が伸びにくくなってしまいます。
成長ホルモン注射は、この不足している成長ホルモンを体外から補ってあげる治療です。これによって、身長の伸びをサポートし、最終的な身長を伸ばすことを目指します。
成長ホルモン注射は「何歳まで」打つの?
一番気になる「何歳まで」という疑問。これには、いくつかのポイントがあります。
1. 基本的には「骨端線が閉じるまで」が目安
成長ホルモン治療は、骨の端にある「骨端線(こったんせん)」と呼ばれる軟骨の部分が成長している間に行うのが一般的です。骨端線が閉じてしまうと、骨が伸びるのを止めてしまうため、それ以上身長が伸びることはありません。
この骨端線が閉じる時期は個人差がありますが、一般的には思春期の終わり頃、だいたい男の子で16歳~18歳頃、女の子で15歳~17歳頃が目安とされています。
2. 治療の開始年齢や目的によって異なる
ただし、これはあくまで目安です。
治療を開始した年齢: 早く治療を始めた方が、治療期間も長くとれるため、より良い効果が期待できる場合があります。
成長ホルモン分泌不全症以外の病気: ターナー症候群やプラダー・ウィリー症候群など、成長ホルモン治療の対象となる病気はいくつかあります。それぞれの病気によって、治療の期間や終了の目安が異なる場合があります。
最終身長の目標: 医師と相談し、目標とする最終身長にどれくらい近づけたいかによって、治療期間が変わることもあります。
3. 「大人になってから」も治療する場合がある?
「成長ホルモン注射って大人になってからも打つの?」と疑問に思う方もいるかもしれませんね。
実は、小児期に成長ホルモン分泌不全症と診断され、治療を受けていた方が、成人になっても成長ホルモンの補充が必要となる場合があります。これは、身長を伸ばすためではなく、成長ホルモンが不足することによって起こる全身の倦怠感や体調不良、生活の質の低下などを改善するために行われる治療です。
このように、治療の目的が変わるため、成人になってからの成長ホルモン注射は、小児期に行う治療とは少し意味合いが異なります。
成長ホルモン注射の「保険適用」と「費用」
成長ホルモン注射は、毎日自宅で自己注射を行うため、費用が気になるところですよね。
保険適用になるケース
成長ホルモン分泌不全症など、特定の病気と診断され、医師が必要と判断した場合に限り、保険が適用されます。保険が適用されれば、医療費の負担は大幅に軽減されます。
ただし、保険適用にはいくつかの条件があり、定期的に検査を受けて、成長ホルモンの分泌状態などを確認する必要があります。
保険適用外(自費)のケース
「低身長だけど、病気ではない」という場合や、「もっと身長を伸ばしたい」といった美容目的の場合など、**保険適用外(自費診療)**で成長ホルモン注射を行うクリニックもあります。
この場合、費用は全額自己負担となるため、非常に高額になる傾向があります。クリニックによって費用は大きく異なるため、事前にしっかり確認することが大切です。
成長ホルモン注射の「副作用」は?
どんな治療にも副作用のリスクはつきものです。成長ホルモン注射も例外ではありません。
比較的よく見られる副作用としては、
注射部位の痛みや腫れ、赤み
頭痛
関節の痛み
むくみ
などがあります。これらの症状は、一時的なものがほとんどですが、気になる症状があればすぐに医師に相談しましょう。
また、まれではありますが、重篤な副作用として、糖尿病の悪化や脳腫瘍の再発などが報告されています。しかし、これは非常にまれなケースであり、医師が慎重に判断して治療を進めます。
治療の効果と、途中でやめることについて
「成長ホルモン注射を打ったら、何センチ伸びるの?」
「途中でやめたらどうなる?」
これもよく聞かれる質問です。
どのくらい伸びるかは個人差が大きい
成長ホルモン注射によって身長がどのくらい伸びるかは、治療を開始した年齢、もともとの病気の種類、治療期間、個人の体質などによって大きく異なります。
「必ず〇センチ伸びる」という保証はありません。
しかし、治療をしない場合と比較して、統計的に有意な身長の改善が期待できます。医師が一人ひとりの状態に合わせて、最も効果的な治療計画を立ててくれます。
途中で治療をやめる場合
治療の途中でやめても、体に大きな悪影響があるわけではありません。しかし、治療を中断することで、その後の身長の伸びが期待できなくなる可能性はあります。
治療を続けるかどうかは、お子さんの成長の状況、費用、日常生活への負担などを考慮しながら、ご家族と医師が十分に話し合って決めることが大切です。
成長ホルモン注射を検討するなら、まずは専門医に相談を!
お子さんの身長について心配なことがあれば、まずは小児科の内分泌専門医に相談することをおすすめします。
成長曲線を書いてもらう: お子さんの身長が平均と比べてどの位置にいるのか、伸び方はどうかを確認できます。
精密検査を受ける: 成長ホルモン分泌刺激試験など、専門的な検査を受けて、成長ホルモンの分泌状態を詳しく調べてもらえます。
専門医は、お子さん一人ひとりの状態をしっかりと見て、本当に成長ホルモン治療が必要なのか、必要な場合はどのような治療計画が適切なのかを判断してくれます。
まとめ:成長ホルモン注射は「可能性を広げる」治療
成長ホルモン注射は、お子さんの低身長の悩みに寄り添い、その可能性を広げるための大切な治療です。
「何歳まで」という期間は、お子さんの体の成長段階や、治療の目的によって異なります。そして、治療には費用や副作用のリスクも伴います。だからこそ、
信頼できる専門医とじっくり相談する
治療のメリット・デメリットをしっかり理解する
ご家族みんなで納得して治療を進める
ことが何よりも大切です。
お子さんが将来、自信を持って毎日を過ごせるよう、ご家族で最善の選択ができるよう、この記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。