友達にお金を貸すなら「いくらまで？」友情とお金、賢い付き合い方
「ねえ、ちょっとお金貸してくれないかな…」
大切な友達から、まさかのお金の相談。あなたは戸惑いながらも、「助けてあげたい」という気持ちと、「もしかして、このお金は返ってこないかも…？」という不安の間で揺れ動いているのではないでしょうか。
友達へのお金の貸し借りは、友情に亀裂が入る大きな原因になり得ます。では、もしあなたが友達にお金を貸すことになった時、「いくらまでなら貸してもいいのか」、そして**「友情を壊さないための注意点」**は何なのでしょうか？
この記事では、友達とのお金の貸し借りについて、リスクを最小限に抑えるための具体的な考え方と、いざという時に後悔しないための賢い付き合い方を、優しくお伝えします。
友達にお金を貸す前に、まず考えてほしいこと
友達からお金を貸してほしいと頼まれた時、すぐに「うん」と答える前に、ぜひ一度立ち止まって考えてほしいことがあります。
1. 「あげてもいい」と思える金額か？
これが最も大切なポイントです。友達にお金を貸す際、「このお金は、最悪返ってこなくてもいい」と思える金額にしましょう。もし返ってこなくても、友情にヒビが入ったり、あなたが経済的に困ったりしない範囲です。
例えば、1万円なら諦められるけど、10万円は諦められない…というなら、10万円は貸すべきではありません。この「あげてもいい」と思えるラインは、人によって、またあなたの経済状況によって大きく異なります。
2. なぜお金が必要なのか、理由を聞く
もちろん、プライベートなことなので深く立ち入る必要はありません。しかし、相手が「なぜお金が必要なのか」を真剣に説明してくれない、あるいは明らかに嘘だと感じる場合は、警戒信号です。本当に困っているのか、それとも無計画な出費のためなのか、相手の状況を少しでも把握しようと努めることは大切です。
3. 過去に同じようなことがなかったか？
もしその友達が過去にもお金の無心をしたり、借りたお金をなかなか返さなかったりした経験があるなら、今回はさらに慎重になるべきです。過去の行動は、未来の行動を予測する手がかりになります。
結局「いくらまで」なら貸してもいいの？具体的な金額の目安
「あげてもいい金額」と言われても、具体的にどれくらいなのか迷う方もいるでしょう。一般的な意見や、お金と友情のバランスを考えると、以下の目安が考えられます。
数千円〜1万円程度まで
これが最もリスクが低く、友情への影響も少ない金額帯と言えるでしょう。
例えば、「今月ちょっとピンチで、食費が足りないんだ」「急な出費があって、次の給料日までつなぎたい」といった、一時的な生活費の不足であれば、この範囲で助けてあげることを検討しても良いかもしれません。もし返ってこなくても、お互いの関係性を大きく損ねる可能性は低いでしょう。
数万円（3万円〜5万円程度）
この金額になると、貸す側にも心理的な負担が増えてきます。相手が本当に困っていて、明確な返済計画がある場合に限り検討しても良いかもしれません。しかし、**この辺りから「返済が滞ったらどうしよう」「友情が壊れるかもしれない」というリスクが急上昇します。**この金額を貸す場合は、後述する「借用書」を検討し始めるべきラインです。
それ以上（10万円以上、ましてや100万円など）
個人的な友情の範囲を超えていると考えるべき金額です。
このレベルの金額を貸すのは、ほとんど「投資」や「支援」に近い感覚になります。もし本当に親しい友人でも、安易に貸すべきではありません。なぜなら、万が一返済が滞った場合、あなたの生活にも大きな影響が出る可能性があり、結果として友情は確実に破綻するからです。
もしこの金額を貸すことを検討するなら、それはもはや「お金をあげる」覚悟がある場合か、弁護士など専門家を交えて正式な契約を結ぶべきレベルだと認識しましょう。
友情を壊さないために！お金を貸す時の「鉄のルール」
もしあなたが友達にお金を貸す決断をしたとしても、ただお金を渡すだけではいけません。友情を守るためにも、以下の「鉄のルール」を守りましょう。
ルール1：貸す条件を明確にする（口約束はしない！）
「いつまでに返す？」「どうやって返す？」など、返済に関する具体的な取り決めを必ず行いましょう。口約束は後々のトラブルの元です。
ルール2：可能であれば「借用書」を作成する
金額の大小に関わらず、借用書を作成することをおすすめします。特に数万円以上の場合は必須と考えましょう。借用書には、以下の項目を記載します。
借りる人（債務者）と貸す人（債権者）の氏名、住所、連絡先
貸した金額
返済期日
返済方法（一括返済か分割返済か、振込先など）
利息の有無（利息をつけない場合はその旨を明記）
日付
双方の署名捺印
これは、相手を信用していないわけではなく、お互いの認識のズレを防ぎ、後々のトラブルを避けるための「ビジネスライクな対応」と割り切りましょう。友人が借用書を嫌がるようであれば、そもそもお金を貸すべきではないかもしれません。
ルール3：返済が滞っても「責めすぎない」覚悟を持つ
貸したお金がなかなか返ってこない時、イライラしたり、相手を責めたくなったりするのは当然の感情です。しかし、そこから感情的に責め立ててしまうと、友情は一気に崩れてしまいます。
もし返済が滞った場合は、まずは冷静に相手に連絡を取り、状況を確認しましょう。そして、返済計画を改めて立て直すなど、柔軟な姿勢で対応を話し合うことが大切です。もちろん、無理に譲歩する必要はありませんが、友情を優先するなら、ある程度の寛容さは必要になるかもしれません。
ルール4：もし返済されなくても「諦める覚悟」を持つ
最初に述べた「あげてもいい金額」という考え方にも通じますが、この覚悟は非常に重要です。たとえ借用書があっても、最終的に返済されないリスクはゼロではありません。その時に、「お金を失う覚悟」と「それでも友情を続ける覚悟」があるのかどうか、自問自答しておきましょう。
友達とお金、どっちを選ぶ？
多くの場合、友達へのお金の貸し借りは、友情を終わらせるきっかけになります。
返済が滞ることで、会うのが気まずくなる。
お金の話をするたびに、関係がギクシャクする。
貸した側は不信感を抱き、借りた側は引け目を感じる。
もし、お金を貸すことで友情が壊れるリスクがあると少しでも感じるなら、「お金は貸さない」という選択も、友情を守る上で非常に大切です。「ごめん、個人的なお金の貸し借りはしないようにしているんだ」と正直に伝える勇気も必要です。その代わり、別の方法（一緒にアルバイトを探す手伝いをする、食事を奢ってあげるなど）で助けてあげられないか考えてみるのも良いでしょう。
まとめ：友達へのお金の貸し借りは「慎重に、そして覚悟を持って」
友達へのお金の貸し借りは、非常にデリケートな問題です。
「あげてもいいと思える金額か？」という問いかけを自分自身にすること。そして、貸すなら必ず条件を明確にし、できれば借用書を作成すること。これが、友情とお金のトラブルを避けるための賢い選択です。
もしもの時に後悔しないためにも、この記事を参考に、大切な友達との関係を壊さずに、お金と上手に付き合っていきましょう。